IIC が考えるIoTとは
先月来日したOMG/IIC 会長のDr. Soleyが総務省、経産省を訪問して日本のIoT政策担当部門と意見交換を実施しました。
その際に話題になった課題に関してのDr. Soleyの発言をご紹介します。
【IoTに伴う国際化の重要性】
欧米を中心の先進的な政策が推進されているが、特にドイツでのIndustry 4.0が有名。 ただし国境内に限定した政策にはその適用の広がりに限界がある。 テクノロジーは人工的な境界である国境の存在に制限されない。ドイツで今年4月に発表された組織では シーメンンスなどともにIBM ドイツやドイツHP がメンバーとして参加している。 両社ともドイツ国内に数万人の単位での雇用を提供しているのでドイツの企業として認識されているし、反対にシーメンスは事業の半分以上を北米で推進し、いくつかの事業ラインの本社は米国に存在する。国際化した事業形態を常態とする現在の大企業においては国境に閉じ込められた活動では存在しえない。 政策が国境内の事業活動をしている組織を支援するという条件をつけるのは国家という存在目的から否定できない。IIC/OMGといった組織はそのような国家政策で対応できない企業の国際化への適応を可能とする場を提供できることが可能であり、そのことが存在価値のひとつと言える。
【TestbedsとIPの取り扱い】
米国では政府のファンドで実施されるGrand Challenge (たとえばIICが参加しているTransportation Grand Challenge)では発生したIPはPublic化することを条件づけられている。 欧州各国でのIPの取扱いはメンバー外非公開が一般的。 (日本では実証実験の成果のIPについての規定はないと総務省の担当部門の説明) IICではメンバーがプロジェクトにより発生したIPの取り扱いについて公開・非公開といった方針について決定するという規定になっている。 現在までに12個のプロジェクトが実践され 成果が発表されているが一つのプロジェクトを除きすべてのケースで Publicとする決定をしている。 今後、アーキテクチャーやインターフェースの定義といったフェーズから事業化・運用システム構築へと高度化する過程で、コアとなる技術の実装などにTestbedの領域が進化するに従い徐々にプロジェクト参加メンバーに限定したIPという方向になる可能性は存在します。 しかし、現時点では市場やコンセプトを拡大するためにIPをPublicとするメンバーが多い。 コンソーシアムの中でこの点はLegal Working Groupで検討されているが、基本的にコンソーシアムにIPが移転するのではなく、テストベッド参加企業がその方針を決定するという形をとっている。
【Industrial Internet Systems(IIS)のLife Cycle管理とInteroperability】
IoT事業を可能とするIISが国境を越え、通常のIT機器のライフサイクルを超えて存在することが前提となるため 各国の存在する既存システム、既存標準規格との統合やその更新やサービス自体の変遷に対応することが必要とnarru と認識されています。 IICでは 標準を「世界統一標準化」のために「もう一つの標準」を作ることはありえないし、そんなアプローチが国家を超えて受け入れらるとも考えていない。 さらに社会インフラの一部として存在するためにはITのサイクルを超え数十年のスパンで機能し続ける必要がある。 IICでは既存標準間のAdaptablityを確保し、インフラサービスとしてのライフサイクルを通じて生き延びるためにどうすれば良いかという視点で検討するTechincal Task Teamをたちあげて活動を開始した。 最初のアプローチとしてSemanticフレームワークの発見とライフサイクルの定義に関する活動が開始されています。
以上三点が主なメッセージでした。