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スルガ銀行vs IBM 「中止制限義務」に思うこと

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スルガ銀行が日本IBMを訴えていた訴訟で昨年秋の判決(共に 上告)で、システム開発会社に対しプロジェクトの途中で達成が  難と分かった段階で中止する義務が生じると東京高裁が判断し  た。問題となったプロジェクトは、日本IBMが米フィデリティ・インフォメーション・サービス(FIS)の勘定系パッケージソフトCorebank』を日本市場向けにカスタマイズする提案を行い、スルガ銀行がその採用を決定しプロジェクトがスタートした。「要件定義」フェーズにおいて数回のやり直しを経た後、日本IBMが開発スコープの大幅削減提案や代替パッケージの採用と追加費用要求を行い、スルガ銀行が「そんなん聞いてないわ」と損害賠償を求めて訴訟に発展した。ここで問題になるのがパッケージのカスタマイズ提案。通常、パッケージのルールに合わせることで業務改善を取り込むのだが、アホなことにその構築されたルールを無理くり既存の「やり方」に合わせこもうとIBMが提案したこと。パッケージソフト活用のメリットは、稼働までの期間とコストを削減することにある。当然、それは業務とパッケージの機能がある程度適合しているか既存業務をパッケージにフィットさせる勇気(改革)ができるかだ。関係者の話を人づてに聞き整理すると、IBMは当初、現行業務をそのままパッケージで実現する安直な楽な方法を考えていたが、あまりに素っ頓狂な業務ルールであったため、業務をパッケージ標準機能に合わせるように後出しで、スルガ銀行のプロジェクトチームに提案した節がある。提案したパッケージがあまりにも適合しなかったことがわかったたらであるが、そんなこと「始め」言ってたこととちゃうやん」と言われるのは当たり前で結局、そんなら裁判しましょか?っとなった。原因は「これ入れたらうまくいくんちゃうん?」的な安直な選定と、東京地裁の判決文を元でも指摘している。以下、「(IBM側が)本件システム開発を開始するに当たり、Corebankの機能や充足度、その適切な開発方法等について、あらかじめ十分に検証又は検討したものとはいえない」とし、IBMのプロジェクトメネージャーがアホでしたネと認めている。
スルガ銀行は、IBMというネームバリューに惑わされることなく、リスク管理や、IBMにリスクの見落としや対応の不備がないかをチェックさせる「業務を怠った」結果だが、注目すべきは東京高裁が「開発途中でも、スンマセンこれむりでっせ」とユーザーに提言する義務があると言い渡したことだ。受注業者はこんなこと起こると想定して見積もりを提示している。今回の金額にも注目して欲しいが、要件定義にかかった費用は30億円!年俸1000万の高給取りが300人1年間拘束されて業務にあたった換算になる。業界人なら理解してるだろうが、必ずこれ程のbigプロジェクトならリスクヘッジとして提示金額を上積みするのはあたりまえだ。そんな中での東京高裁の「中止提言義務」俺たちはプロとして業務に携わっている!出来なきゃ最初から受注しない。東京高裁のやっぱできませんって言えよ!はあまりにも、商売のイロハから逸脱した判決と言わざるをえない。(アホちゃう!?)